アイツ限定
絶対的エースの誕生
「俺ら、じゃ明日から部員なんで、よろしくお願いしますよ。部長。」
村上はそういって、タオルと飲み物を持ってその場を去ろうとした。
あたしもそのあとを追おうとしたけど、部長においっと引き留められる。
「なんすか。」
涼しい顔で振り返る村上。
こいつ…疲れというものを知らないのか?
「お前、この部のエースになってくれないか?」
「エース…。いいんすか?入ったばかりの俺がエースで。」
「ああ。俺らの中には、絶対的エースはいない。だから、お前がいれば皆いい刺激になると思うんだ。」
「…わかりました。」
「それと、松木と言ったな。お前はマネージャー志望だったな。」
「…はい。」
「記録の仕方とかはわかるな。」
「はい、もちろんです。あと、あたし1つ我がまま言っていいですか?」
「…なんだ。」
「あたしに…このチームの指揮をとらせてください。」
あたしの言葉に、部長はもちろん、他の部員も目を丸くした。