アイツ限定
「我が高も、公立でお金には余裕がないんだ。
……じゃあこうしよう。次の総体までは仮に認めよう。
ただし、その後も雇うとなれば、次の総体、ベスト4以内に入ることが条件だっ!
その条件にクリアーしたら、正式にその大学生をわが高の男子バスケット部の外部コーチとして認めよう。」
校長は、うんうんと、自分の言い分に納得したのかうなずいていた。
ベスト4か。
厳しいけど…
「わかりました。ありがとうございます。」
やるしかない。
あたしは校長に軽く礼をして、校長室を後にした。
校長室から出たときの解放は半端なかった。
思わず、その場で深呼吸をしてしまう。
よし、とりあえず、了解は得たしっ!
……あとは全力で打ち込むのみか……。
あたしは誰もいない教室につくと、昨日の電話相手にメールを送った。
『了解は得た。ただし、総体でベスト4に入らないと正式には認めないらしい。お金ほしいなら、強くしろ。 マリ』
これでよしと…。
あとは、放課後を待つだけ。