アイツ限定
悪くはないと思う。
だけど、部長以外のポジション取りはちょっと違う気がする。
やっぱり、一から変えるべきだ。
これじゃあ勝てない。
「おーい!松木!もう、100終わったぜ。」
村上の声ではっとして顔をあげると、みんな、汗をだらだらと流して膝に手をつき、肩で息をしていた。
脱落者0ねぇ。
なんだ、根性はあるんじゃん。
「じゃあ、水分補給のあと、ダッシュするから、またあのライン並んで。」
あたしがそういうと、皆嫌な顔一つせずに素早く水分補給をして、エンドラインに並んだ。
「10本行くからなー!ダッシュだぞ、ダッシュ!3回くらいに分けて行けよ。準備できたー?」
「「ういーっす!」」
相変わらず返事はいいよな…。
そう思いながらあたしはホイッスルを思いっきりピーッと吹いた。
その瞬間、ものすごいスピードで、駆け抜ける選手たち。
次へ次へとあたしはホイッスルを吹く。
だけど、やっぱり、瞬発力は村上がずば抜けていた。