アイツ限定

「……お前、大丈夫なのかよ。」



「何が？」



「過去のこと。」



そうか、こいつはあたしのこと心配してくれているんだ。

だけどね、あたし前進みたいから……

そして……


「村上が、あたしの背中押してくれたから、あたしもう大丈夫。

もう、振り返らないって決めたの。」



「…ならいいけど…無理すんな。」



そういって、村上は部員元へと戻る。



「カミッ！お前こっちのチームな。」



いつの間にか、村上は部員から”カミ”と呼ばれている。

なんだ。

もう、打ち解けちゃってるし。

いつの間にって感じだけど。



幼いころ、村上言ってたっけ。



＿＿だけどやぱり…信頼できる仲間といつかバスケを心から楽しめたらなって思ってる。



あいつは覚えてないかもしれないけれど、この夢、あたしがかなえよう。


きっと、このバスケ部なら可能だ思うんだ。

いや、できる。

楽しい、本当のバスケが。