アイツ限定



その瞬間、買い物袋がふっと軽くなる。


…ん?



急いで、買い物袋を見ると、そこには…



「なに、重たそうに歩いてんだよ。それでも、一流のモデルかよ。」



村上だ。

コイツは、あの高校最後の試合のときに、ある有名なプロのバスケットのスカウトマンにスカウトされ、そのままプロいり。

今ではアメリカとかまで進出している。



「…なんでここにいんの?」



「ああ、たまたまぶらぶらしてたらお前見つけたし。それにしても何買ったんだよ…。こんな重いもの…。」



「…。」



沈黙になるあたし。


そういえばまだこいつには言ってないことがある。


あたしは歩く足を止めた。


村上は不思議そうにこちらを見てくる。




「何?どうした?」



村上は振り返って不思議そうにあたしを見てくる。



「…ちゃん…で…きた。」



あたしは下を向いて、小さくそういった。



「ああ?なんだって?」



< 196 / 199 >

この作品をシェア

pagetop