アイツ限定
その瞬間、買い物袋がふっと軽くなる。
…ん?
急いで、買い物袋を見ると、そこには…
「なに、重たそうに歩いてんだよ。それでも、一流のモデルかよ。」
村上だ。
コイツは、あの高校最後の試合のときに、ある有名なプロのバスケットのスカウトマンにスカウトされ、そのままプロいり。
今ではアメリカとかまで進出している。
「…なんでここにいんの?」
「ああ、たまたまぶらぶらしてたらお前見つけたし。それにしても何買ったんだよ…。こんな重いもの…。」
「…。」
沈黙になるあたし。
そういえばまだこいつには言ってないことがある。
あたしは歩く足を止めた。
村上は不思議そうにこちらを見てくる。
「何?どうした?」
村上は振り返って不思議そうにあたしを見てくる。
「…ちゃん…で…きた。」
あたしは下を向いて、小さくそういった。
「ああ?なんだって?」