アイツ限定
「あたしね…赤ちゃん出来た。」
今度は、前を向いて、村上の顔を見てしっかりと答える。
村上は固まっていた。
というか放心状態。
あたしは歩み寄って、おーいとかいって肩を揺らしてみる。
「…マジで?」
やっと出た言葉がそれ?
「うん。」
「…これは?」
「赤ちゃんの用品。…ちょっと早かったかな?」
あたしがそういうと、村上は、強くあたしを抱き寄せた。
そして、耳元で言ってくれた。
「ありがとう。ありがとう…もう、俺幸せすぎてやばい…。」
そういわれたあたしも幸せすぎてやばいんだけど…。
これをいうのはやめておこう。
村上が調子乗っちゃうから。
その帰り、村上とあたしは手をつないで帰り道を歩いた。
村上は、名前どうする?とか、やっぱバスケやらせるよな?とかばっかり言ってた。
あたしは、うんうんとただ村上のハイテンションさに笑っていた。