アイツ限定
今でも思うんだ。
あたしと村上がもし巡り会ってなかったら、あたしはきっと今でも男嫌いで、心を閉ざしてたんじゃないかって。
そして、村上も笑えてなかったんじゃないかって。
運命とは、不確かなもので、科学的に解明とかされたわけじゃない。
だけど、あたしは信じたいんだ。
この世で生きている間に、巡り会う人はほんの一握りで、本当に奇跡みたいなこと。
その中で、同じ国に生まれて、同じ高校に通って、同じスポーツをして、互いに想いあう。
奇跡の中の奇跡としか言いようがない確率。
だから、あたしは大切にしたいって思った。
あたしを支えてくれるすべての人たちに。
だけど、あたしの心を開けるのはこの世でただ一人。
それは、今あたしの隣にいるアイツ。
それはきっと今も未来も変わらないだろう。
”アイツ限定”
END…