アイツ限定
教室には、少ないが数人が既にもう教室の中にいた。
あたしと明日香は躊躇なく、教室の中に入る。
「…っしっ!着いた着いた。さてと私の席は……」
明日香は着くなり、席の表を見て自分の席を探す。
あたしは、さっさと自分の席を見つけ、明日香よりも早く、自分の席に着いた。
そして、カバンの中を1人、整理しだす。
「あの……」
隣の女の子が、あたしに声をかけてくるのがわかった。
「ん?」
あたしは、顔を上げてそのこを顔を見る。
少しくせ毛の入った、肩につくかつかないかくらいの長さの髪をした可愛らしい女の子。
男勝りのあたしとは、多分正反対の女の子。
「もしかして……。松木茉莉花(マツキ マリカ)ちゃん?」
女の子は、首をかしげて可愛らしく聞いてくる。
いちいち、動作が可愛いな……この子。
「そうだけど……。何?」
すると、一瞬でその子の顔はぱぁっと明るくなる。
目が細くなり、えくぼが特徴的な可愛らしい笑顔。
「わぁ~……。噂どうり、とっても綺麗なんだね。
あ、もしかして、一緒に来たのが川本明日香(カワモト アスカ)ちゃん?」
「……まぁ……」
「やっぱりっ?
リアルPGだ!」
PG?
何それ……?
「あのさ……その、PGっての何?」
すると、女の子は目を見開き、何で知らないのって顔であたしを見てくる。
「明日香ちゃんと、茉莉花ちゃんは、この高校の男子の間では、パーフェクトガール(perfect girl)、略してPGって呼ばれてるんだよ」
……初耳なんですけど。