アイツ限定
「たまにはじゃねぇよ、いつもだっ!」
そういって、圭吾はガキみたいにキッと俺を睨んできた。
「…それはどうだか…」
「はぁ…。聖也には俺の良さがわかんねぇか…。」
そういって、聖也がため息をついて下を向きしゅんとなる。
こいつ、昔から感情隠せないやつだよな。
何考えてるか見ただけですぐにわかる。
「あ、圭吾く~ん!おっはよー!」
学校の校門が見えたと思ったら、そこにいた数人の女子生徒がこちらに手を振ってくるのがわかった。
圭吾はそれに気づいたと思ったら、急に笑顔になって、手を振りかえす。
圭吾は、人当たりもよく、誰とでもすぐに仲良くなる。
それに加えて、容姿も爽やかで、身長も俺には負けるが結構高い。
だからだろうな。
こいつが学校へ行けば、人があっという間に集まってくる。
学年に1人くらいいるんだよ、こういう奴は。
魔法みたいにあっという間に人をまとめちゃう奴。
「あ、聖也、あれ、PGじゃね?ほら、あそこあそこ。」
圭吾は、何を思ったのか、驚いた顔で振り返った。
そして、圭吾は俺たちが歩いてきた方向と同じ道を歩いてくる2人の女子生徒を指差して、校門前で立ち止まった。
俺も圭吾に続いて立ち止まり、圭吾の指差す方向を見る。
そこには、ロングヘアの女の子とショートカットの女の子がこちらに向かって歩いてくるのがわかった。