あの日のナミダ
「で?どうして、始業式出なかったんだ??」
会議室みたいな部屋に連れてこられて、入って早々にそう聞かれた。
「本読んでて…気づいたら皆居なかった。
途中から入ってくのもヤダし…。」
「嘘だろ。
初めから出る気なかっただろ??」
「…それもあるけど、本当だもん。
それで飲み物買いに裏庭の自販機に行ったの。
で、ベンチに座って近くの花壇眺めてたら、寝ちゃって。」
「馬鹿。」
私がそこまで話すと、櫂くんは呆れた顔でそう言った。
「何で裏庭の自販機なんだ?」
「分かってる。
でも、どうしても行ってみたかったの。」
私の気持ちを知ってる櫂くんは少し心配そうに理由が分かっていても聞いてきた。
だから、私も素直に答えた。
「で?大丈夫だったのか??」
「うん。会って話しただけ。」
「会ったのか?
しかも初対面の奴と話すなんて。」
「大丈夫。会ったけど。
それに…初対面じゃない。」
私は少し声のトーンを下げて言った。