あの日のナミダ
「そうだけど。
憶えてないんだろ??」
「みたい。
まぁその方が良いけど。」
私は櫂くんに苦笑いを溢しつつ、そう言った。
「焦って無茶すんなよ。」
「うん。サボったのはごめん。
でも、必ず…私はやるから。」
「梓依…。」
「何も言わないで。
心配しなくて大丈夫だから。」
何か言いたげな櫂くんに私は背を向けてそう言って、会議室を後にした。
何と言われようと私は自分の目的を果たす。
他にも策は考えればあるかもしれないけど、もう私は決めたから。