あの日のナミダ
「今日から、学校だったんでしょ??
どう?友達出来た??」
「友達は…出来てないけど、でも楽しくなりそうだよ。
担任櫂くんだし。」
「あぁ…そう言えばこの前言ってたね。
まぁ、友達はそんな焦らなくても大丈夫だと思うよ。」
お兄ちゃんは私の話を聞いて、優しく微笑みつつそう言った。
私はお兄ちゃんの笑顔が大好きだ。
記憶があってもなくても、それは変わらない。
「うん。でも、友達は要らないよ。
何か人付き合いって疲れるし…。」
「そんな事言ってー。」
「私はお兄ちゃんと櫂くんが居れば良いかな。
てか、櫂くんが教師ってのが何か変な感じ。」
「おい、人の悪口言うなって。」
私が笑い混じりに話していると、病室の扉がノックなしに開いて、話題の張本人が登場。
櫂くんがムッスリしながらそう言った。