あの日のナミダ
「何?」
「君、名前はー??」
「可愛いね。」
私は簡潔に用件が聞きたかったのに、男達は無視して質問を繰り返す。
「ねぇー、無視しないでよ。」
「俺らの事舐めてっと痛い目見るぞ。」
私の質問にはスルーのくせに私が何も答えないと、じきに機嫌を悪くしたのかそうやって声を低くして脅し始めた。
だけど私としては、全く恐くない。
ただ、『この人達馬鹿だなぁ。』って思いつつも聞き流すだけ。
「お前、いい加減にしろよ。」
「おい、ヤろうぜ。」
頭に血がのぼったのか男2人は、そう言い出した。
別にその言葉の意味が分からない程、私も馬鹿じゃない。
腕を捕まれ、余計にイラッとした。
そろそろ反撃しようかと思った時…
「おい。」
突然、教室の入り口からそう聞き覚えのある低い声がした。
そんなに声出してないのに、お腹に響く声だ。
「あぁ??」
私をヤろうとしてた男達もガン垂れながらそう言って、声のした方を見た。