あの日のナミダ



中に入ると、中の面子達も同じように頭を下げたが、秀太は気にした様子もなく視線も動かさずに歩いた。

私は不安そうな表情を作って、それとなく観察しながら秀太に続いた。
面子達は秀太に続く私を見て、何故か頬を赤らめたり呆然としていた。
風邪かな??
怪訝な顔されないだけましかと思い、とりあえずお辞儀だけしておいた。


倉庫の奥の階段をあがって、いくつかある部屋のうち、手前の部屋の前で止まった。
「ここ。」
そう言って、ノックとかなしに開けた。


すると結構中は広くて、部屋の真ん中には高そうな2人くらい座れそうなソファーと4人くらい座れそうなソファーが2つずつあって、その真ん中にガラスの机が置かれていた。

そして、それぞれのソファーに男の子が3人座っていた。
明るめの綺麗な茶髪の男の子と真面目そうな黒縁眼鏡をかけた少し長い髪がハネ気味の男の子とピーチブラウンっていうのかな…そんな色の髪を寝癖なのか一部ハネてる綺麗な髪の男の子。
…ってみんな染めてても髪傷んでないみたいだな。

そこじゃないか、注目するとこは…。
顔はそれぞれ違う系統で整ってる。
興味ないし、感心するけど何も感じない。



「シュウ、遅いよ。」
「ってヒサも遅れて来たでしょ。」
「そうだけど…。」
ピーチブラウンの髪色の子が、頬を膨らまして愚痴ると、黒髪の眼鏡くんに咎められて、シュンとした。




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