あの日のナミダ
「その子??」
「あぁ。
梓依、紹介する。
まず明るい髪色の奴が皐月。
俺の幼馴染み兼仲間。」
「おい、何だよ。
その適当な紹介は…。
もっと俺が引き立つような紹介しろよ。
俺は、河村 皐月。
梓依ちゃん、よろ!!」
「はぁ。」
少し無理してるのかってくらいテンションの高い彼に私は上手く返せなかった。
「で、そっちの黒縁眼鏡の奴が浩介。
見た通り頭が良い。」
「秀太。…廉矢 浩介です。
よろしく、梓依ちゃん。」
「…よろしくお願いします??」
「何で疑問形??」
眼鏡の…浩介とやらは、呆れたように秀太を呼んだ後、私に笑顔を作って挨拶してくれた。
よろしくしたくないけど、聞くように返したらすかさず一番年下っぽい男の子が突っ込んできた。
「で、今突っ込んだのが陽斗。
通称・ヒサ。」
「ふーん。
顔は綺麗だね。
俺、久遠 陽斗。」
一見、愛嬌良さそうだけど、本当は私の事認めてない感じ。
『よろしく。』って言われてないし。
私もしたくないから良いけど。
認めてくれなくて良い。