あの日のナミダ



裏庭に行くと、本当にだぁれも居なくて、教室よりも安心出来た。
自販機でカフェオレを買って、ついでに裏庭にあるベンチに座って、ベンチの近くの桜の木や綺麗な花がたくさん咲いている花壇を見ながら、休憩する事にした。

あんまりにも安心したのか、私はそのうちベンチに横になり寝てしまった。




「おい??起きろ。」
珍しく気持ち良く眠っていると、突然肩を揺すられて起こされた。
「んっ…。」
少し寝ぼけながら目を開けると、目の前には整った顔の男が居た。

暫く目をパチパチさせると、完全に目が冴えて更にその男の顔がハッキリ見えた。


「えっ、……何ですか??」
いきなり人の顔のドアップだったので、吃驚しながらそう聞いた。
「何ですか……ってここ俺の場所なんだけど。」
「はっ?
誰かの物とかってあるんですか?
強いていうなら学校の物じゃないんですか??」
「お前、…俺の事知らねぇの??」
私は自分の場所とか言う主張は変だと思い言い返すと、男は急にトンチンカンな事を聞いてきた。


「知りません。
何ですか?…そんなに貴方は有名人なんですか??」
確かに男は顔はこの世のモノとは思えない程整ってるし、スタイルも良い。
不良っぽいけど…髪は黒色。
瞳は色素が薄いのかオレンジがかってる。
オーラも凄いある。

だけど、知らないものは知らないので、そう普通に答えた。
多分先輩だろうから、あんまり勘に障らないように気を遣って。

すると、吃驚したような顔で、『嘘だろ??』とか呟いてた。






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