涙唄--ナミダウタ--
「花音はブランコがいい?ベンチがいい?」
どっちでもいいけど…。
「なら、ブランコにしよ!」
ブランコを選んだ。
なんかベンチだと、この雰囲気に耐えられそうになかったから……。
「よいしょっとーーー」
おっさんみたいなことを言って、音葉はブランコに座った。
「…あのさ」
「それでね」
………声が重なった。
「ギャハハっ!また重なったね!
ホントタイミングいいんだか、悪いんだか!」
お腹を抱えながら、すっごい笑顔で笑う。
「ふふっ、本当だよね。
重なりすぎ。」
あはは、と私もつられて笑う。
「花音、私から先言ってもいい?」
「いいよ」
私は、言いたいことを音葉より先に言うよりも、音葉が今から言うことに耳を傾けた。
「急だけど…………
驚かないでねっ?」
コクン、と頷いて
音葉の方を向いた。
すると、音葉は………
顔を赤く染めていた。