涙唄--ナミダウタ--
「〜〜!!花音かわいい〜!!」
音葉は、私のもとに来て
私を抱きしめた。
「くーるーしーいーよー」
何度も離そうとしたけど、音葉の力が強くて。
離せなかった。
でも、全然嫌じゃなかった。
「…それで。
可愛いとか言ってる場合じゃなくて!」
音葉は私から離れたと思うと、今度は私の腕を掴んで
再びブランコに座った。
「花音は、奏矢のことが好きなんだよね!
なら、私は安心だぁー!!」
……安心?
「あ、安心って…??」
やばっ
音葉はそういう顔をして、口をおさえた。
「な、なにか不安なことあったの??」
「………これは、奏矢が花音に話したくなる日を待った方がいいよ。
私の口から言うと、奏矢怒りそうだし!」
そう言うと音葉は勢いよく立った。
「あ、それとね、奏矢は花音に気があると思うんだ〜♪
いい感じだしねっ!
花音、私応援するからね!」
…いい感じ…か……。
「それじゃあ私は、塾あるからここでバイバイするねっ
花音また明日ね〜」
音葉は、私に手を振って塾へと向かった。
奏矢くんと私が
いい感じ…?
なわけ、ないじゃん。
だって、
だって奏矢くんはーーーーーー…。