涙唄--ナミダウタ--


なんで謝っているのか、納得することがないまま、昼になった。



いつも昼は、3人で食べている。

もちろん教室じゃなく、屋上で。
ホントは行ったらダメなんだけどな。


「あっ、そうだ。」

3人で一緒に屋上へ向かおうとした時、
音葉が思い出したかのように言い出した。


「奏矢っ、あのね

私、彼氏が出来ました〜♪」


…………は?


「お、音葉が、彼氏…………!?」


彼氏って…え………



「そうなの!驚きでしょ?
本人の私でさえビックリ!」

ギャハハ、と笑っている音葉。

…なんだ、そっか。
音葉は、やっと好きなヤツと付き合うことが出来たんだな…。


「そっ、か。

音葉の1年間の片想いが、やっと報われたんだな!?」

なんだよ、俺。
なんで笑ってんだよ。
なんで俺は、自分の気持ちをちゃんと伝えられねぇんだよ。


………ずっと


ずっと側にいたのは俺だろーーーーー?
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