涙唄--ナミダウタ--
「どういうことだよ?野村」
意味わかんねぇ。
なにがいいんだ?
「…奏矢くんは、音葉が好きなんでしょ?」
………………………え?
な、なんで野村が……
野村はずっと、気付いてたのか…?
「違ってたらごめん。
でも、私はそう思ったんだけど…。」
いや、合ってる…
「違くないよ。
俺は……音葉が好きだ。
彼氏が出来た、今でも。」
…そうなんだ。
俺は、音葉が彼氏出来たとしても
音葉のことが、大好きなんだ。
「で、でも野村は、いつから気づいて…」
「結構前からだよ。
私が奏矢くんを、音葉から紹介してもらったときから…かな?」
えっ…。
それって、俺と野村が会ったときから気づかれてたってことか…!?
音葉が気づかなかったのに…?
「…それ、めっちゃ前じゃん」
「うん…。」
それからは、何故か知らないけど。
無言になってた。
お互いに。
俺らは、昼も食べずに
教室へ戻った。