涙唄--ナミダウタ--
「…ごめんな野村。
なんか昼食えなくて。」
「大丈夫だよ、私も胸いっぱい…だし。」
…?
なんで胸いっぱいなんだ?
「そっか……」
理由はわからなかったけど、納得したということにしといた。
午後の授業は、全く頭に入らなかった。
理由は、さっきの音葉のこと。
ちらっと、斜め後ろの席の音葉を見ると、すごく幸せそうだった。
真剣に授業を受けてただけだけど、
雰囲気からして、もう……幸せそうで。
………俺じゃ、ダメだったんだな。
音葉を幸せにするのは、
俺じゃなくて
…坂本なんだよな。
そう思うと、胸が痛んだ。