涙唄--ナミダウタ--
**花音side**
午後の授業が終わって、終礼も終わった。
「花音ー!
今日からさ…えっと……。」
「わかってるって。
彼氏さんと帰るんでしょっ?
ラブラブで帰りなさーーいっ!」
私は音葉に手を振って、
バイバイをした。
ちょっとからかいながらも、内心嬉しいんだ。
これは最低なんだけど…ね。
だって、奏矢くんの好きな人…音葉が、彼氏と帰るなんて。
もう奏矢くんは音葉と帰れないじゃん?
奏矢くんには悪いけど、嬉しいんだ。
ごめんね、奏矢くん。
許して…。
でも、私だって
報われない恋をしてるよ。
奏矢くんの、気持ちを聞いちゃったから。