涙唄--ナミダウタ--
「じゃぁ、話すからちゃんと聞いてくれよー?」
「ふふっ、わかってるって」
穏やかな雰囲気の中、奏矢くんは
話し始めた。
「俺さ、
音葉に気持ち伝えようと思うんだ。」
………………………………え?
音葉に…伝える?
「もちろん、フラれに行くんだぞ?
もう、音葉には彼氏がいるから。
でも、伝えないと俺がスッキリしない。
だから、ケリつけに行こうと思ったんだ。
…その勇気をくれたのは、野村のおかげなんだ。」
…へ?
「私の、おかげ?」
「あぁ、そう!
今日の昼にさ、
これでいいの?って、俺に言ってくれただろ?
それで、ちょっと俺なりに考えてさ。
このままだと未練タラタラなんだよ」
奏矢くんは、自分で言ったことに笑ってるけど…
作り笑いにしか見えない。