涙唄--ナミダウタ--
「よぉーーし、出発進行〜」
勢いよくスタートした。
でも、風が気持ち良かった。
ちょっと奏矢くんには悪いけど、
後ろに乗せてもらいながらパンを食べていた。
…………………………………
「着いたっ!
花音、降りていーぞ」
私と奏矢くんは、自転車を置き場のところに置いて、教室へ向かった。
トクンっ…
さっきも気になっていたけど、
私のことを
"花音"
って。
ふ、触れてもいいのかな…?
「そ、奏矢くん…
私のこと…そ、その…
花音って………」
最後まで言えなかった。
緊張して…
だって、『は?あぁ、ノリだよ』
とか言われたら私…
タチナオレマセン…。
すると、奏矢くんは
くすっと笑って
「もうこんな仲なんだし、呼び捨てでもいいだろ?」
……そうだよね。
奏矢くんは、バカになんてしないよね。
「…うんっ!嬉しい!!」
奏矢くんを好きになれて、私は幸せだよ…。