涙唄--ナミダウタ--
「私は………いい人なんかじゃないよ。
私からすればね、音葉と奏矢くんの方がいい人なのっ!!!!」
私は音葉にニカッと笑った。
音葉も、笑ってくれた。
「でも、これからは奏矢はフリーなの。
ホントのフリーなの。
押しどきよ?
積極的にいかないと、奏矢誰かにとられるって!!!」
だっ、誰かに、とられる…?
そうか。
奏矢くん、イケメンだもん。
多分、クラスの中でも
奏矢くんのことを好きな人はいっぱいいると思う。
なのに、私はなぜか
奏矢くんは彼女を作らない
って思ってた。
そっか……奏矢くんは、もう吹っ切れたって言っているし、
今はホントのフリーなんだ…。
そう思っていると、すごく不安になってきた。
誰かにとられたら……………。
「だから、アタックするんでしょう?
今日、私彼氏とお昼食べるからさ、
昼は奏矢と一緒よー?」
ニヤニヤと、私の肩を叩く。
………音葉さん、怖いです…。
_______________そして、お昼。
音葉は、私に言ったとおり
彼氏とお昼を食べに行った。
「花音、俺らどうする?
屋上で一緒に食うか?」
トクンっ…