涙唄--ナミダウタ--
「今日も空は綺麗だなぁー」
屋上につくと同時に、背伸びをしながら、奏矢くんは横たわった。
「ご飯食べる時間、なくなっちゃうよー?」
「いいのー、俺食べるの早いから。」
そうか。それもそうだ。
私は食べるのが遅いので、
早速お弁当に手をつけた。
「……………音葉がホントに大好きだった。」
「………え?」
いきなりのことで、私はビックリする。
「だって、小さい頃からずっと一緒にいるんだぜ?
しかも、俺の隣で。」
「……うん。」
「しかも、音葉だんだん可愛くなっていくし。
中学ん時は、すげぇ不安だった。
でも、中学ん時彼氏できてなかったから、勝手に安心してたかもな。」
「……うん。」
「高1の時もできなかったし。
あ、でも好きなヤツはできたか。」
ハハハと笑いながら、
奏矢くんが持ってきたパンを食べ始めた。