涙唄--ナミダウタ--
「……………いるよ」
「…え?」
気がつくと、私は何故かこう言っていた。
「俺みたいな、なんて言わないでよ。
奏矢くんは素敵な人じゃん。
ちゃんと自分が後悔しないように、
想いを伝えてさ。
それって、勇気がないとできないことだよ。
そこらへんの男子はできないよ。
だから、…………だから、絶対。必ず奏矢くんのことが好きな人はいるよ!」
言い終わると、息が荒いことに気づいた。
いつのまにか、真剣に語ってたんだ。
そう思うと、はずかしくなって俯いた。
奏矢くんの顔が見れない……!
それに、ここは屋上。
私たちだけじゃなくて、他の人だって当たり前だけど、いる。
そんな中私が大声で、そんなことを言ったのだ。
はずかしすぎて、今ならシネマス…。