涙唄--ナミダウタ--
授業が終わると、私は奏矢くんに
「さっきはごめん!!!」
とすぐ謝った。
「あぁ!全然いいよー。
俺まだ授業聞いてたから、読むとこわかったし」
そうなのか。
私は聞いてませんでした…。
「あ、りがとござました…」
照れながらも感謝した。
ありがとう…。
「なんだそれ、日本語か?」
ケラケラ笑っているのを見て、
私も自然と口元が緩む。
「なになに、さっき奏矢が当てられた時話してたのー?」
音葉が参戦。
はい、そうでございます。
私が勝手に見惚れてて……。
「そうなんだよー。
俺のこと見られてさ。
つい目が離せなくて」
そうなの…。
つい、目が離せなくて。
「なにそれ。
愛し合ってるみたいなこと言わないで。
寒い寒い………。」
…はぁ!?
じょ、冗談でもそれはダメ!!
「ばっ、バカ!?
なに言ってんのバカかあんたはー!!」
ポコポコ音葉の頭を叩いた。
音葉は面白そうに笑っている。
笑い事じゃないんだから!
もう!!!