涙唄--ナミダウタ--
「急にごめんね、奏矢くん。」
少しだけ、ここからでも話し声が聞こえる。
聞こえると言っても、"うん"とか"それでね、"というとこだけだけど。
「……ですか。ありがとうございました。」
なにやら、会話が終わったらしい。
……何話してたのか、とっても気になる…………………。
「……花音、どうした?具合悪いのか?」
先輩との会話を終えた奏矢くんが、
私を心配してくれて声をかけてきた。
「ん…、大丈夫だよ。
元気元気〜」
から元気だよ。
気づいてよ。
…気づいてよ。
「…そっか。
じゃあ、帰らね?」
………………………………そうだよね。
当たり前だよ。
私、奏矢くんの何でもないもん。
彼女でもないし、
親友でもない。
…私は、奏矢くんにとって
どんな存在ですかーーーーー…?