涙唄--ナミダウタ--
「ごめん、間接キスとか意識させて。
俺気にしなかったからよかったけど…。
嫌だったよな。ごめん、でもうまかった!」
嫌なんかじゃ、ないよ?
でも、そういうことは
奏矢くんは、ホントは
好きな人としてよ。
その方が嬉しいでしょ?
「…うん。全然いいの。
ありがとう。」
返されたお茶を持って、私は教室から急いで出た。
……………ハァ、ハァ。
息が切れる。
教室から、玄関までダッシュで走ってきたんだから。
「…奏矢くんとは、今日…一緒に帰れないよ…。」
だって、胸が痛くなるから。
苦しくなってくるから。
まだ、奏矢くんの心には
音葉がいるくせにーーーーー…。