涙唄--ナミダウタ--
4.俺の気持ち。
**奏矢side**
「…ハァ。
なんなんだよ、一体…っ!!!」
俺は、店の壁を、手を握って叩く。
情けねぇ、こんなことしても何もならねぇのに。
「花音に何があったんだよ……。」
さっき、俺が花音に言われた言葉。
『私のことより、音葉を心配したら!?』
花音より、音葉を……?
なんでだよ。
なんで、そこで音葉が出てくるんだよ。
俺は、音葉を諦めた。
でも当分好きな人はできない
と花音にも言っていた。
…俺なりに、前に進んだつもりだった。
なのに、花音は
俺はまだ音葉が好き
とでも思ってんのか…?
花音、ホントに何があったんだ。