涙唄--ナミダウタ--
私は音葉の言葉に
何も返すことができず、ただ泣いていることしかできなかった。
あぁ、そうだったんだ。
誰かに認められて欲しかったんだ…。
「それに奏矢だってわかってるよ。
自分の気持ちに…鈍いんだよアイツは…」
…?
自分の気持ちに鈍い?
奏矢くんは、音葉のことが好きなんだってば…。
「さてと。もうそろそろ1時間目も終わるところだし
帰りますか?」
よいしょ、と声を出して立ち出した音葉。
私はそれを真似するかのように急いで立った。
さっき音葉が言ってくれた言葉。
あの言葉は必ず忘れない。
あとで…直接奏矢くんに謝ろう…