涙唄--ナミダウタ--
あの日
あの日と一緒の、綺麗な空だ。
「………いつも花音は大事なことに気づかせてくれる。
それが当たり前になってたけど、改めてお礼が言いたい。
花音、ありがとう………」
隣にいる奏矢くんを見ると、気づかないうちに私の方を向いて、真剣に話していた。
私はそんなお礼されるほどのことをしていない。
してるのは、逆に奏矢くんの方で。
「奏矢くんだよ、それは。」
「え?」
「私はいつも奏矢くんに助けられてるんだよ。
こんな楽しい毎日を過ごせるのは、奏矢くんのおかげなんだから。」
これは、本当に、本当に私の本音。
楽しい毎日を過ごせるのは、本当に奏矢くんのおかげ。
たとえ、私の大好きな人が誰が好きだろうと。
「…花音ってなんか、なんとも言えない力があるよな……」
鼻でフッと笑われたかと思うと、
私に素敵な笑顔を見せてくれた。
不覚にも、ドキンってしてしまう。
あぁやっぱり、奏矢くんが大好きなんだ。