異世界ハーフのお姫様
雨に映える水色。
廊下を歩いていると、突然に雨が降っていた。
「…今日は、雨だね」
「うわぁー、ホントだ!」
皆は雨を嫌がるけれど、あたしは雨がなきゃ生きていけない。
「…そうかしら?」
あたしはその子達に微笑を浮かべる。
「…あ、嶺雨様」
あたしは、零沢 嶺雨(れいさわ れいう)。
あたしは何処かの異世界のハーフ。
…今日は、皆の表情が暗いわね。
あたしには関係ないことか…。
「…あたしは結構、雨…好きよ」
「「きゃーーー♡嶺雨様!!」」
騒がれるのは好きじゃないけど…、雨に断じて許してあげましょう。
あたしはフフッと微笑を浮かべて、廊下を突き進む。
渡り廊下を歩いていると…ブワァッと風が吹いた。
あたしは髪を掻き上げて、天空を見上げる。
そこにはドス黒い曇天。
あたしは天空を見上げて、刹那くなって微笑を貼り付けた。
あたしは皆には言えない秘密があるから。
あたしは重い足で一歩を踏み出した。