異世界ハーフのお姫様
『天使』はごく少数だから、地球に来れる異人はいない。
「…『天使』と言う線は消えるわね」
あたしは顎を親指と人差し指で抑える。
「…トイレ行きたいんだけど、嶺雨案内してくれる?」
羽園歩風は思い詰めた表情のまま言う。
きっとトイレに行きたいわげじゃないわよね?
「いいわよ」
あたしは一言そう言って羽園歩風を連れて、別の部屋に……。
「…トイレ行きたい訳じゃ無いでしょう?」
あたしは苦笑いで羽園歩風を見つめる。
「…まぁ」
少し恥ずかしそうにする羽園歩風。
「……ホントはココまで言うのは禁止なのかもしれないけど」
そう言って、両手をフッと力を込める羽園歩風。
すると、砂が舞誇る。
「…コレ。何か分かる?」
羽園歩風の手の平には、…『砂時計』。
「…『砂時計』よね?」
「…まぁ、そうなんだけど」
あたしに自分で創り出した『砂時計』を持たせる。
砂は刻一刻と滑らかに落ちて行く。
ピンク色をした砂が魔法のように