異世界ハーフのお姫様
未来を変える、運命を破る。
アレから数日。
『砂時計』はひっくり返さなくても、流れ続けている。
堕ちる砂。
堕ちる速さ。
全てが均等なはずなのに……。
違う気がするのはあたしだけ?
「……砂、」
ピンク色の砂。
真っ赤に燃え上がるような赤色のふち。
「………最近、雨不足かしら」
疲れが溜まってきた頃に雨不足。
きっと、雨雅も疲れているはずだ。
あたしは学校に居ても、家に居ても、『砂時計』を見ることが多くなった。
「嶺雨、来週から夏休みでしょ!海行こう、海!」
友達の茉侑が机をガタガタとゆする。
「…そうね。雨も入ってると思うし…雨雅も誘っていいかしら?」
「いーよ!」
「…それ、俺も入れてくれる?」
この声のトーンは…。
「鼓君、なんでアナタま「いーよいーよ!」
え?
茉侑に遮られた?
「ほんとか?ありがとう!」
「…俺も入れてくれるかな?」
「……羽園君。アナタ他のクラスじゃ…」
あたしは口をアングリ。