異世界ハーフのお姫様
あたしは有名な国立難関高校・朱穂(あけぼの)高等学校に通う2年生。
朱穂高校は4年制で、大学に行かなくても受かったも同然の価値がある。
1学年、100人ほどの少なさ。
その割りに大きな校舎。
全体的に落ち着きのある校風。
あたしは…家から1時間半掛けて通っている。
放課後になり、あたしは電車から降りて駅から家に向かう。
「…零沢、嶺雨」
あたしはハッとして振り向いた。
そこには…誰も居なくて。
傘を持っている手に、勝手に力が入る。
…早く帰って、雨に打たれたいな。
あたしは腰まである茶色の髪を濡れない様にする。
「…今日は、屋上で打たれよう」
あたしは早足で帰宅。
荷物をメイドに預けて、制服を脱ぎ捨てる。
自分の部屋からジャージを取り出す。
裸足で向かう先は…屋上。
そこには、弟の雨雅(うみや)が寝そべっていた。
雨を浴びて気持ち良さそうにしている。
「ただいま、雨雅」
「おかえり、嶺雨」
綺麗な男らしい笑顔を向ける雨雅。
「…今日のは一段と気持ちいいや」
上に着ていた半袖を脱ぎ出す雨雅。
「…あたしも、今日は楽しみだったのよ」
あたしは心からの笑顔を雨雅を向ける。
あたしは冷たい雨の下に走った。
そして、雨雅の隣に寝そべった。
あたしと雨雅は異世界のハーフ。
雨に濡れた髪は……………………、
…………………水色。