異世界ハーフのお姫様
「嶺雨、起きなさい」
揺すられて…目を開ける。
そこは…懐かしい景色があった。
「……お、お婆ちゃん?」
そこには銀髪の母方の方のお婆ちゃんがいた。
部屋は…あの頃と同じように…氷の部屋。
気持ち良くて目を細める。
「…雨水を加湿器に入れたのよ?少しは気分は良くなったかしら?」
優しく微笑むお婆ちゃん。
「…うん。…!」
そうだ!
羽園君は!?
あたしはキョロキョロと周りを見渡す。
「…男の子は、裁判大臣に連れてかれたわ。重要な役割があるんですって」
お婆ちゃんは異世界で『雨氷』の血を純潔に受け継いでいるたった一人のマツエイ。
今の女王は、お婆ちゃんがやっている。
「…嶺雨に、もうそろそろ受け継いで貰わなきゃね」
そう言って微笑むお婆ちゃん。
でも…!
純血がやんなきゃ意味無いんじゃ…。
「…そんなコト無いわよ。もうそろそろ純血なんて言葉に縛られなくても」
あたしの心を読み取ってくれた。
「…うん」