異世界ハーフのお姫様
街で偶然会ったお父さんに一目惚れしたお母さん。
そっから付き合った二人は真逆の種族な訳で…。
有名なカップルだったらしい…。
これはお婆ちゃんから聞いた話。
「……お父さんとお母さん、悲しんでないかな?」
「悲しんでるはず無いでしょう?ちゃんと嶺雨が羽雨と陽蒔さんの約束を護っているんだから」
そう、お母さんとお父さんが死ぬ前にあたしに言ったんだ。
《…嶺雨、弟の雨雅を守ってあげて》
あたしはそれ以来、雨雅が一番で生活してきた。
「……でも、またまだ雨雅も子供ね?体調管理も出来ないなんて…」
苦笑いのお婆ちゃん。
「…なかなか雨が降らなくて…」
「…そう。人間界では雨がなかなか降らないの」
お婆ちゃんはそーかそーか、と笑う。
「…そう。嶺雨、もう少し休みなさい。疲れちゃうでしょ?」
お婆ちゃんの言葉に甘えて、あたしはもう一眠りした。