異世界ハーフのお姫様
ココはワールツと言って、異世界。
地球の様にこの星にはワールツと言う名前がある。
魔法使いが大勢いて、街に出ると…本が浮いていたり、ジェットコースターがあったり…。
夜なのに、元気に走り回る子供達。
地球はあんなに静かなのに…。
ワールツは静かとは無縁な星。
フルーリー参道と言う大通りを通っていると…。
「…嶺雨姫様じゃない?」
「ほ、ホントだ!10年振りに異世界・ワールツに帰ってきたんだ!」
あたしの周りに人だかりが出来てしまう。
ココは大都市圏のオーガと言う街。
この星で重要な役割を担う都市の一つ。
「人間界はどーだったの!?」
小さな男の子は、あたしに笑顔を向ける。
「…そうね。大変な所よ?でも…楽しいわ」
あたしは男の子の頭をそっと撫でる。
「…舞歌(まうた)!嶺雨姫様になんて口聞いているの!」
向こうから走ってやってきた舞歌君のお母さん。
「構いませんよ?皆にエコヒイキされるのは好まないので…。舞歌君、今度お姉ちゃんの話し相手になってね?」
あたしは笑顔を舞歌君に向ける。
すると無邪気な笑顔がそこにはあった。
「うん!僕のお話も聴いてね!」
舞歌君のお母さんは、何度も頭を下げながら舞歌君を連れて行ってしまった。