異世界ハーフのお姫様
そしてすぐに家に入った。
雨雅は…あたしが帰ってくるまでずっと起きててくれたらしい。
あたしの部屋に行くとすぐにベッドでスヤスヤ寝てしまった。
鼓君には雨雅のコトを見てて貰い、あたしと羽園君は他の部屋に移動するコトにした。
「…羽園君?あのね…昔のことはどうかは分からない」
「そりゃ、まだ過去を視てないからね」
クスクスと笑う羽園君。
…そーなんだけど。
「…過去を視ても、雨雅とあたしは離れられない。…それに、ワガママかもしれないけど…」
あたしは言葉を詰まらせる。
羽園君の表情が…固まった気がした。
「…過去も今も、未来でも…羽園君とも離れることは出来ないとあたしは思う」
「…さぁ?どーだろう」
軽く濁される。
きっと羽園君は、知っているんだ。
雨雅には許して貰えない。酷いことをしてしまった。
そんなことを思っているんだと思う。
でも、前に進まなきゃ。
あたしは大きな客室に羽園君を入れる。