異世界ハーフのお姫様
「…しょうがないじゃない。こんなの創れちゃうんだもの」
「…だな。母さんと父さんはなんでこの世界に来たんだか…」
雨雅は呆れ顔。
確かに…。
あたしは雨雅にもっと近寄って口を開ける。
すると雨が口の中を潤してくれる。
「…『著人』に会えるかしら」
「…どうだろうね。ここら辺には『異人』が数人だしな」
あたしは今年で17歳。
もう結婚を考えなきゃいけないお年頃…らしい。
「…雨雅はいないの?」
「……………居ないね。嶺雨以上に可愛くなきゃ俺、やだ」
また始まったわね。
雨雅は……………取り敢えず、シスコンと言うものなんだとか。
「…姉弟は結婚出来ないわよ」
あたしは苦笑いで、雨雅を見る。
「…俺、嶺雨が好きだもん」
「ありがとう。あたしも好きよ」
あたしと雨雅には、知られざる過去がある。
誰にも言えない暗い闇。