異世界ハーフのお姫様





「…『火陽』の血は美味しいってら聞くけど」



確かに…お父さんはヴァンパイアに狙われる事は多々あったらしいけれど…。






「…見た目によらずよ?『雨氷』の血は冷たいらしいから」





そう言うと、目をギョッと見開く。






「…『雨氷』なのか?」






怯えた様に引きつらせている鼓君。






『雨氷』の血は冷たく、飲んでも飲んでも不安になるくらい…美味しすぎて溺れるらしい。





『火陽』は適度に美味しいらしく、ヴァンパイアから好まれる味なんだとか…。






あたしには『雨氷』の血が多めに流れてるから…どうなるかは分からない。






「…『著人』と『著人』のハーフなのか?」






「…えぇ、そうよ」
< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop