異世界ハーフのお姫様
「…『火陽』の血は美味しいってら聞くけど」
確かに…お父さんはヴァンパイアに狙われる事は多々あったらしいけれど…。
「…見た目によらずよ?『雨氷』の血は冷たいらしいから」
そう言うと、目をギョッと見開く。
「…『雨氷』なのか?」
怯えた様に引きつらせている鼓君。
『雨氷』の血は冷たく、飲んでも飲んでも不安になるくらい…美味しすぎて溺れるらしい。
『火陽』は適度に美味しいらしく、ヴァンパイアから好まれる味なんだとか…。
あたしには『雨氷』の血が多めに流れてるから…どうなるかは分からない。
「…『著人』と『著人』のハーフなのか?」
「…えぇ、そうよ」