ヤンデレなら、病んで下さい!

「ああ、心配!どこかのおっさんにアメあげるからおいで、と言われないかしら」

「さすがに、それは」

「あんたが見たがっていた本が、あたしの家にあるのだけど、今から来ない?」

「ほんと!行きたい!」

「ダメだーっ!この子、危なっかしいわー!」

うわー、と何故か、頭を抱えられてしまった。

「保護者として心配っ。変なおっさんにつきまとわれないか。いっそ、あたしがつきまといたいぐらいなのに!」

「あくまでも、おっさん限定なんだ……」

そうしてやっぱり、紅葉ちゃんはおっさんに分類されているんだ。

「4月たる今、これから一気に暑くなるし、薄着になれば、どんどん釣れてしまうわね。ああ、もー、あんたを守るにはどうすればー!」

そこまで悩ませてしまうほど、私は危なっかしいのか。悪い気がしてきた。自分の身も守れないだなんて、護身術を習えばちょっとは違うのかな。

「ーーと、ケータイなってるわよ」

紅葉ちゃんが指差すバッグ。厳密にはスマフォなんだけど、紅葉ちゃんはスマフォでもケータイと呼ぶ。

手に取る頃に音が鳴り止むあたり、メールが来たようだ。



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