ヤンデレなら、病んで下さい!
『雛(ひな)の部屋に、カメラ置きたいんだけど、どうかな?』
私の部屋の写真を撮るんですか?と聞き返した記憶はまだ新しい。
笑う彼は違うよと言う。
『ほら、雛一人暮らしでしょ?この前ね、俺の会社の同僚が、泥棒に入られたって言っていたから。雛のところ、セキュリティーも万全じゃないアパートだろ?最初は引っ越していっそ、俺と一緒に住もうかとも考えたんだけど、俺のアパートから雛の大学までは遠いし、不便かなって。もちろん、大学辞めるならいつでも歓迎するけど、その気はないものね。
泥棒に入られるのもそうだけど、雛の場合、変な男を引っかけちゃうんじゃないかって。もちろん、雛は悪くない。虫は本人が嫌がっても勝手に寄ってくるものだから。
なるべく俺が雛を守りたいけど、一緒に住んでいない以上、雛を守ることが出来ない時間が増える。
防犯カメラみたいなものだよ。雛に何かあったら、俺が駆けつけるないし、警察にも連絡出来る。ああ、それに、風邪引いて動けず、電話も出来ないような時でも看病に行けるかな。
だから、どう?雛を守るために、カメラつけてみない?』