ヤンデレなら、病んで下さい!
『紅葉ちゃーん!カメラつけたがるのは、別に許していいことなの!?』
『それはヤンデレというものだから、あまり刺激せずに、はぐらかしてそのまま彼の部屋を出なさい!でないと、監禁ルートまっしぐらよ!』
『分かった。今隣にいるから、刺激しないように出てみる!』
『そういう電話は、彼の聞こえないところでするもんでしょバカー!』
と、紅葉ちゃんに怒られた記憶も新しい。
とりあえず紅葉ちゃんの言うとおりに、『えっと、今日はもう遅いので帰ります』と帰ろうとし、『分かった。まだ午後四時だけど、危ないから送っていくよ』と彼に送られ、そっと帰されたこの前だけど。
「ヤンデレなら、カメラつけてもそれは卑猥(オカズ)目的じゃなく、純粋な警護で、カメラをつける場所も雛の生着替え(プライバシー)を最低限守った位置に任意で取り付けて、更にはご丁寧にカメラの切り方や使い方まで教えてくれるようなもんだけど……!」
なんだろう、何だか紅葉ちゃんの言葉がやけに生々しく聞こえてしまう。
「ヤンデレは二次元だからこそ、許されるのよ!現実的にそれはアウト!普通なら、そんな話を切り出された時点で別れてしまうものなのにっ」
「わ、別れるだなんて。紫暮さんが、私のためを思ってのことだって言うのは分かるから」
「どんくさ天然によって、無自覚トゥルーエンドまっしぐら状態かーっ。せめて、監禁ルートを経由してほしいのに!ーーって、ダメダメ!睡眠薬飲まされて、気づいたら、ベッドに括り付けられて、媚薬までも飲まされちゃって涙目でよがる雛なんか想像しちゃダメ!今日は、スカートなのに!」
「紅葉ちゃん、何の話になってるの……」