ヤンデレなら、病んで下さい!
「まさか、そこまで悩んでいるなんて」
よしよしと撫でる紅葉ちゃんの手で更に泣きそうになる。
「これは、少しばかり厳しい展開に持っていかなきゃいけないわね」
「え」
「どんくさ天然脱却よ」
「……へ?」
涙が引っ込むような唖然を貰う。
首を傾げれば、紅葉ちゃんがノートを取り出した。
先ほどまで同じ講義を受けていたはずなのに、何故だかアニメのイラストが書かれたノート。当たり前だけど、空白のページを開き、紅葉ちゃんはシャーペンで文字を書く。
『一、まずはきちんと断ろう』
「よく声をかけられるあんただけど、可愛いあんたの見た目を変えることなんかできない、むしろ変えさせてたまるかコンニャローだけど。それなら、まず、世の男共にあんたは『一筋縄ではいかない女』と思わせるのよ」
「えっと、要するに」
「ナンパされたら断れ!」
端的すぎる言葉に肩をすくめてしまった。