イジメから始まる物語
美希目線
なんでまた…
何がやり直そうよ!
ヤダ、泣きたくないのにぃ~!
「…っ」
誰も居ない中庭。1人泣き崩れる。
「…大丈夫、ですか?」
突然聞こえた声に慌てて顔を上げる。
そこには心配そうな顔でアタシを見つめる美少女。…お人形さんみたい。
「大丈夫…」
「私、姫って言います。
西條 姫(サイジョウ ヒメ)3-Aです。」
「…アタシは園田美希。3-E。」
「何か、あったんですか?」
姫ちゃんはアタシの隣にちょこんと座り不安気にアタシの顔を覗き込む。
「ちょっと…」
「私で良ければ、あの…お話聞きます!」
「本当?」
「はい!」
アタシは姫ちゃんにポツリポツリと話した。
聖夜のことも、舞ちゃんのことも。
「佐倉さんが…そうだったんですか…」
「アタシは…どうしたらイイのかな」
「…『我を貫け。愛したい人を愛せ。我の思う道を行け。然れば、道は開かん。』」
「…え?」
「私の好きな言葉です。まだ続きがあるんですけど…」
「聞かせて。」
「はい。」
姫ちゃんは嬉しそうに顔を輝かせると内ポケットから小さな本を取り出した。
「『我を貫け。愛したい人を愛せ。我の思う道を行け。然れば、道は開かん。
我は友を宝とする。友、それは真実である。我独りでは気付けぬこと、教えてくれるものが友である。友とは独りよがりではできぬものだ。一方的ではバランスが取れぬ。お互いが頼りあい、支え合えるのが友である。
我は独りでは無い。なのに何故独りで悩もうか。我には友が居る。愛すべき人も居る。しかし独りで悩む事もある。それは我だけでは無い。愛すべき人も、友も、同じである。皆は気付けるだろうか、その変化に。我は気付きたい。
愛、それは何と申そう。言葉では表現しがたいものである。と同時に言葉で表現出来るほど軽いものでは無い。我らはそれを背負い、生きていく。
生、それは偉大である。生きていないと何もできぬ。生きているからこそできるものがある。悩む事も、愛す事も、友と笑う事も生きていなければできぬ。
人生、それは重い。人は独りで悩みを背負い、愛を背負い、友を背負い、想いを背負い、今を背負う。時にそれを分け合い、軽くする。しかし、すぐにまた何かを背負う。人生とは重いものだ。
今、とはなんだ。我がこの詩を書いている時が今か。我が生きている時が今か。今は何かわからない。しかし我はわからないなりに今を楽しもう。』」
「…いい、詩だね」
「今の園田さんに聞いて欲しくて…」
「ありがとう。」
「私は詩を読んだだけです」
「この詩を紹介してくれて」
「…いえ。
…さて。そろそろ行かなきゃですね、美希さん?」
「え?」
「きっと、佐倉さんも聖夜って人も貴女を探してます。貴女が佐倉さんを友だと思うように、佐倉さんも貴女を友だと思っています。
…ほら」
姫ちゃんはアタシを無理矢理立たせ背中を押した。
「ごめんよりもありがとうと言える貴女に神の声が届くよう、祈っています。
ここで、待っています。例え立ち止まっても振り向かずに前を向いて。全て終わればここへ来てください。報告を待っています。
導きのまま、声のする方へ。
…いってらっしゃい。」
姫ちゃんは微笑んだ。
その笑顔はアタシを本気で応援してくれてるんだと痛いほどに伝わった。
「…いってきます!」
待ってて、アタシは笑顔でここに帰ってくるよ。
なんでまた…
何がやり直そうよ!
ヤダ、泣きたくないのにぃ~!
「…っ」
誰も居ない中庭。1人泣き崩れる。
「…大丈夫、ですか?」
突然聞こえた声に慌てて顔を上げる。
そこには心配そうな顔でアタシを見つめる美少女。…お人形さんみたい。
「大丈夫…」
「私、姫って言います。
西條 姫(サイジョウ ヒメ)3-Aです。」
「…アタシは園田美希。3-E。」
「何か、あったんですか?」
姫ちゃんはアタシの隣にちょこんと座り不安気にアタシの顔を覗き込む。
「ちょっと…」
「私で良ければ、あの…お話聞きます!」
「本当?」
「はい!」
アタシは姫ちゃんにポツリポツリと話した。
聖夜のことも、舞ちゃんのことも。
「佐倉さんが…そうだったんですか…」
「アタシは…どうしたらイイのかな」
「…『我を貫け。愛したい人を愛せ。我の思う道を行け。然れば、道は開かん。』」
「…え?」
「私の好きな言葉です。まだ続きがあるんですけど…」
「聞かせて。」
「はい。」
姫ちゃんは嬉しそうに顔を輝かせると内ポケットから小さな本を取り出した。
「『我を貫け。愛したい人を愛せ。我の思う道を行け。然れば、道は開かん。
我は友を宝とする。友、それは真実である。我独りでは気付けぬこと、教えてくれるものが友である。友とは独りよがりではできぬものだ。一方的ではバランスが取れぬ。お互いが頼りあい、支え合えるのが友である。
我は独りでは無い。なのに何故独りで悩もうか。我には友が居る。愛すべき人も居る。しかし独りで悩む事もある。それは我だけでは無い。愛すべき人も、友も、同じである。皆は気付けるだろうか、その変化に。我は気付きたい。
愛、それは何と申そう。言葉では表現しがたいものである。と同時に言葉で表現出来るほど軽いものでは無い。我らはそれを背負い、生きていく。
生、それは偉大である。生きていないと何もできぬ。生きているからこそできるものがある。悩む事も、愛す事も、友と笑う事も生きていなければできぬ。
人生、それは重い。人は独りで悩みを背負い、愛を背負い、友を背負い、想いを背負い、今を背負う。時にそれを分け合い、軽くする。しかし、すぐにまた何かを背負う。人生とは重いものだ。
今、とはなんだ。我がこの詩を書いている時が今か。我が生きている時が今か。今は何かわからない。しかし我はわからないなりに今を楽しもう。』」
「…いい、詩だね」
「今の園田さんに聞いて欲しくて…」
「ありがとう。」
「私は詩を読んだだけです」
「この詩を紹介してくれて」
「…いえ。
…さて。そろそろ行かなきゃですね、美希さん?」
「え?」
「きっと、佐倉さんも聖夜って人も貴女を探してます。貴女が佐倉さんを友だと思うように、佐倉さんも貴女を友だと思っています。
…ほら」
姫ちゃんはアタシを無理矢理立たせ背中を押した。
「ごめんよりもありがとうと言える貴女に神の声が届くよう、祈っています。
ここで、待っています。例え立ち止まっても振り向かずに前を向いて。全て終わればここへ来てください。報告を待っています。
導きのまま、声のする方へ。
…いってらっしゃい。」
姫ちゃんは微笑んだ。
その笑顔はアタシを本気で応援してくれてるんだと痛いほどに伝わった。
「…いってきます!」
待ってて、アタシは笑顔でここに帰ってくるよ。