イジメから始まる物語
アラタナモノガタリ
一砂目線
やっと授業終わった…
園田にさっき何処行ってたかと、裕也が探してたって言うのと佐倉何処か聞かなきゃ…(最後のは自分の為)
「やめてよっ!」
「いーじゃーん誰も困んないよ」
「アタシが困ってるの!」
「アンタが困ったって誰も気にしないよ」
「俺が気にするけど」
また、イジメ?
「大神くん?なにもしかしてこいつのこと好きなのー?」
「好きとかそーいうんじゃないけど、園田は友達だし。
それにイジメとか見てんのヤダ」
「何それー偽善者?」
アハハ、と2人が笑った時もう1人の女子が喋り出した。その途端2人は笑うのをやめた。
「ねぇ知ってる?悪は正義に滅ぼされるの。どんなお話でもそう、最終的に悪は正義に滅ぼされるの。
わかる?だから私達は悪を滅ぼしてるの」
「ふーん…じゃぁ、俺も一緒に悪を滅ぼしてやるよ」
「へぇ?マ…」
話を遮り俺は目の前の女を思いっきり突き飛ばした。
「お前らっつう悪を」
「…何、日本語わからないの?」
「あーゴメン私も日本語わかんねぇからお前ら滅ぼすわームカつくし」
「園ちゃん、大丈夫?とりあえずこの教室から…いや、俺らの側から離れないで」
何処から来たのか、俺の後ろには裕也と佐倉が居た。
「一砂。多分こいつら…」
「あぁ、マリン教だ。大神、気を付けな」
「チッ、めんどくせぇな…マリン教の奴らは一部の奴らがピンチになった時に一致団結すっからなぁ…」
「私は一部なんかじゃないわ。
私は御坂 マリン(ミサカ マリン)。」
「我らがマリン教の教祖、マリン様よ!」
「無礼者!マリン様に手を上げるなんて!」
「この学校中のやつらが信仰しているのがマリン教の教祖、御坂マリンだ」
「さっすが、元生徒会長、佐倉舞さんと、現生徒会長成瀬裕也くん。よくご存知ね」
「まだ俺生徒会長じゃないよー、コウホだよコ・ウ・ホ♪」
「…あら、そう」
「美希。この教室から出るなよ。」
「う、ん」
「なぁ、マリン様が…」
「大神バカだろ」
「マリン様を助けようぜ」
「さんせーい!」
「もしかして、クラス全員敵にした?」
「…ぽい」
「そんなのどうってこっちゃねぇ。
成瀬。美希を」
「了解っす」
「…よっし、佐倉。行くか?」
「…背中は任すかんな」
「おぅっ!」
俺らは敵陣の中に飛び込み戦って行った。
「なんなんだこいつら…」
「やってもやっても切りがねぇ…
マリン様マリン様うるせぇな、まるで催眠術に掛かったみたいだ…」
「…催眠術?」
「はーいさっき国語は自習で…
って何、4対…30?卑怯だねー
…つかさ、話し合いにしませんかマリン様?」
一瞬でわかったのか、さすが先生佐倉の従姉妹。
「…いいわよ?
皆、話し合いよ!」
「はい!」
「なんだこの裁判所スタイルは…」
「あら、素敵でしょ?悪を裁くには。」
「どっちが裁かれるんだろうな?」
「…ふんっ!
先生は口出ししないでくださる?生徒の問題は生徒で解決したいのよ。」
「いいけど…
御坂さんなんかいつもと違うねー」
「こっちが…いえ、これからが本当の私よ。
…さ、始めましょ。
大神、佐倉、園田、成瀬。そこに」
俺らは従い指差された場所に立つ。
「質問よ。
家に虫ケラが現れたらどうする?
大神から順に答えなさい」
「…殺す」
「潰す」
「逃げる」
「ぶっ潰す♪」
「ほぅ。では聞くが、何故教室にのさばっている虫ケラを潰してはいけないのかしら、大神?」
「人間だからだ。人間と虫を一緒にすんな」
「…ほぅ。ならば人間と虫はどう違う?
佐倉。」
「そんなの簡単だ。
人間は自分の意思がある。それを伝えれる。」
「…へぇ。
では誰が人間をいじめてはいけないと決めた?…園田」
「えっと、神…?」
「…ほぅ?ならば聞こう。神とはなんだ?成瀬」
「神とは人間が想像し作り出した物である。人は神を崇める。神はまぁ言わば一種の自己催眠みたいなものだ」
「ほぅ、面白いな。」
「なぁ、俺は御坂よりもクラスの皆に聞きたい事があるんだが」
「…よろしい。認めよう。では大神の演説を聞こうではないか」
「なぁ、皆この漢字が読めるか?」
「シンショウ(心象)…」
「こんなの読めるに決まってるだろ?」
「じゃぁ、イジメられた人の心象は読めるか?」
「…」
「イジメってイイんだっけ?道徳で習わなかったか?」
「ダメ…なんだよね」
「イジメってよく考えたら悪のすることだな」
「カッコ悪い人のすることだよね…」
クラスの皆が気付いて行く。
自分の行なった事は果たして正しかったのか。
正義だったのか。
「大神!何をした…」
「どうもこうも無いさ。
俺達四人は自我が強くおまえの催眠にかからなかった。
そして俺は今このクラスで催眠を解いた。
…お前が利用した事がわかったんだ。集団催眠効果だろ?」
「…入学式にお前らは出たか?」
「出た」
「出たよね」
「あぁ」
「おぅ。」
「じゃぁ、何故だ…何故催眠にかからなかった?」
「自我が強過ぎたんだ」
「くっ…」
「それから。
裕也」
「さっきまでの…そうだな、虫ケラの下りからずっと、この会話全学年に生放送されちゃってるから♪」
「はっ…?」
「お前の催眠もそろそろ解けたんじゃねぇかな?」
「…」
クラスの皆が押し黙った。誰も話そうとしない。
その空気を読み取ったのか先生が手を叩いて大きな声で言った。
「はいっ、終了ー!今日は臨時解散!
御坂さんは残ってねー」
「なぁ、一砂。さっき言ってた集団催眠効果とかって何?」
「催眠術の一種。…1人にする催眠術より集団に催眠術を掛けた方がかかりやすいんだ。
…さてそれはどうして?」
「えっ?」
「んー…舞ちゃんわかる?」
「…1人がかかるとそれにつられて皆が掛かっていくから。人は多数派に合わせる傾向があるんだ。それを心理学用語で
同調と言う。」
「よく知ってんな」
「人の上に立つには人という生き物を理解しなければいけない、と祖母に習ったからね」
「俺も」
「それにしても一時はどうなるかと思ったな〜」
「うん…皆ゴメンね、巻き込んじゃった…」
「園田は気にすんな。元はと言えば俺が勝手に巻き込まれに行っただけだ。」
シュン、と凹んだ園田の頭に手を乗せ俺は慰める。
「巻き込まれに行った大神に私達は着いてっただけだ」
「そーそ。だから園ちゃんは気にしないの〜」
と言いながら裕也は俺の手を払い除けながらさりげなく園田を抱き寄せる。
「な、成瀬くん⁈」
「おーじゃぁ俺と佐倉こっちだから。」
「は⁈」
「お〜じゃな〜一砂、佐倉。」
「ま、舞ちゃぁぁん」
ここらで2人にさせないと裕也に後で怒鳴られる…
「ちょちょちょ、離してよ!いつまで手ぇ握ってんの⁉︎」
「あ、悪りぃ。」
「つか私こっちじゃないし!」
「お前はKYか‼︎」
あの空気で気付かないとか…
俺は手を離して佐倉にデコピンをお見舞いする。
「いった!何すんのよ⁉︎」
「まぁ、無理矢理引っ張ったしちゃんと送るから」
「今度パフェ奢りなさい」
「えー俺アイスの方がいいー」
「誰もあんたの好みは聞いてないわよ!
…でもまぁ、あんたがアイスがいいならアイスでもいいけど」
「…まぁそん時の気分によるよ。」
「ちゃ、ちゃんと奢りなさいよ!約束だかんね」
「はいはい。」
「じゃぁ、送ってくれてありがとう…」
「ん。じゃな」
「ばいばい…」
なんか元気ねぇな…
気になった俺は回れ右をする。
もう家の中に入っただろうと思ってたのに佐倉はまだ外に居て、俺の居る方をじっと見ていた。
「佐倉。」
「な、何よ…」
「元気無かったなぁと思って」
「べ、つに…」
「ならイイけど。じゃぁな“舞”」
「………‼︎
ま、また明日ね“一砂”」
初めて佐倉が名前を呼んでくれたことに内心ガッツポーズをしながら俺は背中を向けた。
なのに。
「か、一砂!」
「…ん?」
「忘れ物よ!」
「え?」
何忘れた?
俺は佐倉の方に歩いていく。
グイッ チュッ♪
「こ、これだけっ!じゃ、じゃぁね!」
佐…舞は顔を赤くしながら早口でまくし立てると家へ飛び込んで行った。
けど、俺も舞に負けないくらい顔が赤くなってたと思う。
余りに一瞬で。
けど頬には唇の感触が残ってる。
…これは、期待してもいいのか?
やっと授業終わった…
園田にさっき何処行ってたかと、裕也が探してたって言うのと佐倉何処か聞かなきゃ…(最後のは自分の為)
「やめてよっ!」
「いーじゃーん誰も困んないよ」
「アタシが困ってるの!」
「アンタが困ったって誰も気にしないよ」
「俺が気にするけど」
また、イジメ?
「大神くん?なにもしかしてこいつのこと好きなのー?」
「好きとかそーいうんじゃないけど、園田は友達だし。
それにイジメとか見てんのヤダ」
「何それー偽善者?」
アハハ、と2人が笑った時もう1人の女子が喋り出した。その途端2人は笑うのをやめた。
「ねぇ知ってる?悪は正義に滅ぼされるの。どんなお話でもそう、最終的に悪は正義に滅ぼされるの。
わかる?だから私達は悪を滅ぼしてるの」
「ふーん…じゃぁ、俺も一緒に悪を滅ぼしてやるよ」
「へぇ?マ…」
話を遮り俺は目の前の女を思いっきり突き飛ばした。
「お前らっつう悪を」
「…何、日本語わからないの?」
「あーゴメン私も日本語わかんねぇからお前ら滅ぼすわームカつくし」
「園ちゃん、大丈夫?とりあえずこの教室から…いや、俺らの側から離れないで」
何処から来たのか、俺の後ろには裕也と佐倉が居た。
「一砂。多分こいつら…」
「あぁ、マリン教だ。大神、気を付けな」
「チッ、めんどくせぇな…マリン教の奴らは一部の奴らがピンチになった時に一致団結すっからなぁ…」
「私は一部なんかじゃないわ。
私は御坂 マリン(ミサカ マリン)。」
「我らがマリン教の教祖、マリン様よ!」
「無礼者!マリン様に手を上げるなんて!」
「この学校中のやつらが信仰しているのがマリン教の教祖、御坂マリンだ」
「さっすが、元生徒会長、佐倉舞さんと、現生徒会長成瀬裕也くん。よくご存知ね」
「まだ俺生徒会長じゃないよー、コウホだよコ・ウ・ホ♪」
「…あら、そう」
「美希。この教室から出るなよ。」
「う、ん」
「なぁ、マリン様が…」
「大神バカだろ」
「マリン様を助けようぜ」
「さんせーい!」
「もしかして、クラス全員敵にした?」
「…ぽい」
「そんなのどうってこっちゃねぇ。
成瀬。美希を」
「了解っす」
「…よっし、佐倉。行くか?」
「…背中は任すかんな」
「おぅっ!」
俺らは敵陣の中に飛び込み戦って行った。
「なんなんだこいつら…」
「やってもやっても切りがねぇ…
マリン様マリン様うるせぇな、まるで催眠術に掛かったみたいだ…」
「…催眠術?」
「はーいさっき国語は自習で…
って何、4対…30?卑怯だねー
…つかさ、話し合いにしませんかマリン様?」
一瞬でわかったのか、さすが先生佐倉の従姉妹。
「…いいわよ?
皆、話し合いよ!」
「はい!」
「なんだこの裁判所スタイルは…」
「あら、素敵でしょ?悪を裁くには。」
「どっちが裁かれるんだろうな?」
「…ふんっ!
先生は口出ししないでくださる?生徒の問題は生徒で解決したいのよ。」
「いいけど…
御坂さんなんかいつもと違うねー」
「こっちが…いえ、これからが本当の私よ。
…さ、始めましょ。
大神、佐倉、園田、成瀬。そこに」
俺らは従い指差された場所に立つ。
「質問よ。
家に虫ケラが現れたらどうする?
大神から順に答えなさい」
「…殺す」
「潰す」
「逃げる」
「ぶっ潰す♪」
「ほぅ。では聞くが、何故教室にのさばっている虫ケラを潰してはいけないのかしら、大神?」
「人間だからだ。人間と虫を一緒にすんな」
「…ほぅ。ならば人間と虫はどう違う?
佐倉。」
「そんなの簡単だ。
人間は自分の意思がある。それを伝えれる。」
「…へぇ。
では誰が人間をいじめてはいけないと決めた?…園田」
「えっと、神…?」
「…ほぅ?ならば聞こう。神とはなんだ?成瀬」
「神とは人間が想像し作り出した物である。人は神を崇める。神はまぁ言わば一種の自己催眠みたいなものだ」
「ほぅ、面白いな。」
「なぁ、俺は御坂よりもクラスの皆に聞きたい事があるんだが」
「…よろしい。認めよう。では大神の演説を聞こうではないか」
「なぁ、皆この漢字が読めるか?」
「シンショウ(心象)…」
「こんなの読めるに決まってるだろ?」
「じゃぁ、イジメられた人の心象は読めるか?」
「…」
「イジメってイイんだっけ?道徳で習わなかったか?」
「ダメ…なんだよね」
「イジメってよく考えたら悪のすることだな」
「カッコ悪い人のすることだよね…」
クラスの皆が気付いて行く。
自分の行なった事は果たして正しかったのか。
正義だったのか。
「大神!何をした…」
「どうもこうも無いさ。
俺達四人は自我が強くおまえの催眠にかからなかった。
そして俺は今このクラスで催眠を解いた。
…お前が利用した事がわかったんだ。集団催眠効果だろ?」
「…入学式にお前らは出たか?」
「出た」
「出たよね」
「あぁ」
「おぅ。」
「じゃぁ、何故だ…何故催眠にかからなかった?」
「自我が強過ぎたんだ」
「くっ…」
「それから。
裕也」
「さっきまでの…そうだな、虫ケラの下りからずっと、この会話全学年に生放送されちゃってるから♪」
「はっ…?」
「お前の催眠もそろそろ解けたんじゃねぇかな?」
「…」
クラスの皆が押し黙った。誰も話そうとしない。
その空気を読み取ったのか先生が手を叩いて大きな声で言った。
「はいっ、終了ー!今日は臨時解散!
御坂さんは残ってねー」
「なぁ、一砂。さっき言ってた集団催眠効果とかって何?」
「催眠術の一種。…1人にする催眠術より集団に催眠術を掛けた方がかかりやすいんだ。
…さてそれはどうして?」
「えっ?」
「んー…舞ちゃんわかる?」
「…1人がかかるとそれにつられて皆が掛かっていくから。人は多数派に合わせる傾向があるんだ。それを心理学用語で
同調と言う。」
「よく知ってんな」
「人の上に立つには人という生き物を理解しなければいけない、と祖母に習ったからね」
「俺も」
「それにしても一時はどうなるかと思ったな〜」
「うん…皆ゴメンね、巻き込んじゃった…」
「園田は気にすんな。元はと言えば俺が勝手に巻き込まれに行っただけだ。」
シュン、と凹んだ園田の頭に手を乗せ俺は慰める。
「巻き込まれに行った大神に私達は着いてっただけだ」
「そーそ。だから園ちゃんは気にしないの〜」
と言いながら裕也は俺の手を払い除けながらさりげなく園田を抱き寄せる。
「な、成瀬くん⁈」
「おーじゃぁ俺と佐倉こっちだから。」
「は⁈」
「お〜じゃな〜一砂、佐倉。」
「ま、舞ちゃぁぁん」
ここらで2人にさせないと裕也に後で怒鳴られる…
「ちょちょちょ、離してよ!いつまで手ぇ握ってんの⁉︎」
「あ、悪りぃ。」
「つか私こっちじゃないし!」
「お前はKYか‼︎」
あの空気で気付かないとか…
俺は手を離して佐倉にデコピンをお見舞いする。
「いった!何すんのよ⁉︎」
「まぁ、無理矢理引っ張ったしちゃんと送るから」
「今度パフェ奢りなさい」
「えー俺アイスの方がいいー」
「誰もあんたの好みは聞いてないわよ!
…でもまぁ、あんたがアイスがいいならアイスでもいいけど」
「…まぁそん時の気分によるよ。」
「ちゃ、ちゃんと奢りなさいよ!約束だかんね」
「はいはい。」
「じゃぁ、送ってくれてありがとう…」
「ん。じゃな」
「ばいばい…」
なんか元気ねぇな…
気になった俺は回れ右をする。
もう家の中に入っただろうと思ってたのに佐倉はまだ外に居て、俺の居る方をじっと見ていた。
「佐倉。」
「な、何よ…」
「元気無かったなぁと思って」
「べ、つに…」
「ならイイけど。じゃぁな“舞”」
「………‼︎
ま、また明日ね“一砂”」
初めて佐倉が名前を呼んでくれたことに内心ガッツポーズをしながら俺は背中を向けた。
なのに。
「か、一砂!」
「…ん?」
「忘れ物よ!」
「え?」
何忘れた?
俺は佐倉の方に歩いていく。
グイッ チュッ♪
「こ、これだけっ!じゃ、じゃぁね!」
佐…舞は顔を赤くしながら早口でまくし立てると家へ飛び込んで行った。
けど、俺も舞に負けないくらい顔が赤くなってたと思う。
余りに一瞬で。
けど頬には唇の感触が残ってる。
…これは、期待してもいいのか?