イジメから始まる物語
舞目線

イジメは全て終わった。

後は…告白?

もう美希と成瀬は付き合う事間違いなしだもんな…

お…一砂は顔に出ない。ポーカーフェースってやつ。

「はぁ…よっし。」

私は明日、一砂に告白します。

そう思うと何も考えられなくなり、晩御飯何を食べたかも覚えてなかった。



「…いってきます」

「はーい、いってらっしゃい」

ガチャッとドアを開けるとそこには一砂が立っていた。

「…あ、れ?」

「ゆ、裕也が園田と付き合う事になったって…」

「…それはおめでたいね」

「…朝登校は絶対裕也としてたから1人で行くことになったんだよ」

「…へぇ、そっか」

「それで舞と一緒に行こうかなって…」

「…丁度良かった。話があったんだ。」

「え?何?どうしたの?」

「私…一砂の事が好…パァァァァァァ」

私が好き、と言おうとしたタイミングでトラックがクラクションを鳴らす。

「うるせぇな…

で、舞ゴメン聞こえなかった。なんて?」

「いや、もういい。」

「…そか?

そうだ、今度裕也と園田カップルのデートに付き添う」

「は?」

「園田が2人は無理って言ったらしい」

「なんで…」

「2人で裕也と園田置いて隠れっからな」

「…わかった」

「…あ」

一砂が不意にある公園の前で足を止めた。

「どうしたの?」

「お前、憶えてる?小さい頃この公園で…」

「?よくわからない。

私小さい頃のほとんど無いんだ」

「…そか」

悲しそうに微笑んだ一砂に私は違和感を覚えた。

「で?いつ行くの?そのデートの付き添い」

「明日」

「明日ぁ⁈」

「おぅ…」

「はぁ…いいよ、行く。」

「お!じゃぁ時間とか決まったら連絡するからID教えて!」

「ん」

一砂のLINE…GET!

「楽しみだなっ」

「…」

たまには素直になってやりますか?

「そだね、一砂と出かけるの初めてだし。楽しみにしてる」

そう言って笑った途端、一砂の顔がみるみるうちに赤くなっていった事は見なかった事にしてアゲル。

そして、次の日。

「舞ちゃん…ききき緊張するよぉ…」

「せっかく付き合ったんでしょ?それを成瀬に言えば?」

「そ、そだね…

ゆ、裕也クン…」

「どしたの?美希」

「緊張、する…」

「ハハッ、大丈夫大丈夫♪」

「ラブラブだな、あの2人」

「ムカつくくらいに」

「今日、ゲーセン行くんだと。ゲーセン行ったらワザと逸れるぞ」

「…りょーかい!」

「おーい、一砂達!置いてくぞー」

「置いてけ置いてけ!

…ほら、舞行くぞ?」

そう言って手を差し伸べてきた一砂。

≪ほら、舞ちゃん泣いてないで行くよ?≫

顔も名前も思い出せない声しか覚えていないあの男の子。

私があんな事言ったから…

「…舞?」

「!なんでもない。ぼーっとしてた」

「ったく何してんだ行くぞ」

前は取れなかったあの手を、一砂に重ねて。

「うん」

私は手を伸ばした。
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